塗装専門会社が教える下地処理の重要性について詳しく解説
2026.1.13
下地処理の重要性について

外壁塗装と聞くと、「どんな色にしようか」「どの塗料が良いのだろう」と、上塗りの塗料や色選びに意識が向きがちですよね。
もちろん、それらも非常に重要です。
しかし、声を大にしてお伝えしたいのは、「塗装工事の品質は9割が下地処理で決まる」ということです。
そこで、今回は塗料の下に隠れてしまうけれど、建物の寿命と美観を左右する最も重要な工程、「下地処理」について、その全貌を詳しく解説していきます。
こちらの施工事例も参考にしてみてください
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~~~~~~~~~~*目次*~~~~~~~~~~
外壁塗装の「下地処理」とは?なぜ重要視するのか

下地処理(素地調整とも呼ばれます)とは、新しい塗料を塗る前に、外壁や屋根の表面を、塗料が最大限の性能を発揮できる状態に整えるための、すべての事前準備工程を指します。
例えるなら、メイクアップ前の徹底したスキンケアのようなものです。
どんなに高価なファンデーション(上塗り塗料)を塗っても、肌(下地)がボロボロで荒れていれば、ノリが悪く、すぐに崩れてしまいます。
住宅塗装も全く同じです。
外壁には、長年の風雨や紫外線によって、次のようないくつもの劣化現象が発生しています。
チョーキング(白亜化)
塗膜の樹脂が分解され、顔料が粉となって表面に現れる現象。
旧塗膜の剥がれ・浮き
古い塗膜が密着力を失い、浮いたり剥がれたりしている状態。
ひび割れ(クラック)
外壁材自体に発生した亀裂。
苔や藻、カビの発生
湿気や日当たりの悪さから発生する生物汚染。
コーキング(シーリング)の劣化
ボード間の継ぎ目やサッシ周りの弾性材の劣化。
これらの劣化を放置して上から新しい塗料を塗っても、すぐに塗膜が剥がれたり、ひび割れが再発したりする「施工不良」の原因となります。
下地処理は、これらの問題を一つ残らず解消し、「塗料が長期間、外壁材に強固に密着するための土台作り」なのです。
下地処理を怠った場合の恐ろしいリスク

「少しの手抜きくらい大丈夫だろう」と下地処理を省略したり、手早く済ませてしまう施工会社がいるのも事実です。
しかし、その代償は非常に大きなものになります。
早期の塗膜剥離
塗料が旧塗膜や汚れの上に付着しているだけなので、数年でパリパリと剥がれてしまう。
美観の早期悪化:下地の凹凸やひび割れが上塗りの後に透けて見え、仕上がりが汚くなる。
防水性の低下
ひび割れが修繕されずに残るため、そこから雨水が侵入し、建物の内部構造(木材や鉄骨)を腐食させる。
再工事費用の発生
上記のような不具合により、保証期間内であっても余計な補修費用や早期の塗り替えが必要になる。
つまり、下地処理こそが、塗装工事の耐久性と防水性、そしてお客様の将来的な安心感を決定づける最も重要な要素なのです。
塗装職人がおこなう下地処理の主要な5つの工程

塗装工事では、お客様の大切な住まいを長く守るため、一切の妥協なく次の5つの主要な下地処理工程を丁寧におこないます。
工程①:【命の洗濯】高圧洗浄(洗浄作業)
目的:汚れと旧塗膜の徹底除去
高圧洗浄は、外壁に付着した長年の汚れ、ホコリ、排気ガス、そして最も重要なチョーキングの粉や、カビ・藻を根こそぎ洗い流す工程です。
ポイント
業務用高圧洗浄機は、家庭用とは比較にならない強力な水圧で洗浄します。
特にカビや藻が多い場合は、バイオ洗浄剤を併用し、微生物の根っこまで分解・殺菌してから洗い流します。
これにより、再発を強力に抑制します。
洗浄が不十分だと、汚れやチョーキングの粉の上に塗料を塗ることになり、塗料が外壁材ではなく「粉」に付着している状態となり、早期剥離の原因となります。
塗装職人はこの作業に時間をかけ、「塗料が密着できるクリアな素地」を作り出します。
工程②:【建物の継ぎ目補強】シーリングの打ち替え・増し打ち
目的:防水性と弾力性の回復
外壁材(サイディングなど)のボードの継ぎ目や、窓のサッシ周りには、シーリング材という弾力性のある詰め物がされています。
これは、建物の動きや熱膨張・収縮を吸収し、雨水の侵入を防ぐ最前線の防水層です。
名古屋市のように気温差や地震の影響も考慮する必要がある地域では、このシーリングの劣化は避けられません。
ポイント
打ち替え
劣化した古いシーリング材を撤去し、新しい高性能なシーリング材を充填し直します。
これが最も耐久性の高い方法です。
増し打ち
撤去が難しい場合や、現状のシーリングが健全な場合、上から新しいシーリング材を重ねて打ちます。
使用するシーリング材は、上塗り塗料との相性が非常に重要です。
住宅塗装工事では、ノンブリード(可塑剤移行防止型)の変性シリコンやポリウレタン系シーリング材を使用し、上塗り塗膜のベタつきや変色を防ぎます。
工程③:【傷口の治療】ひび割れ(クラック)の補修
目的:雨水の浸入路の閉鎖
外壁に発生したひび割れ(クラック)は、雨水が建物内部に浸入する最も危険なルートです。
ポイント
ヘアークラック(軽微なひび割れ)
微細なひび割れには、微弾性フィラーという下塗り材をたっぷりと塗布することで、弾力のある塗膜で隙間を埋めます。
構造クラック(深刻なひび割れ)
0.3mm以上の深いひび割れは、Vカット工法でひび割れを意図的に広げ、その溝にエポキシ樹脂や弾性フィラーを注入して補強・修繕します。
このひと手間が、建物の寿命を大きく左右します。
工程④:【旧塗膜の整理】ケレン作業(錆び落とし・塗膜除去)
目的:塗料の密着力を高める
ケレン作業は、主に鉄部(手すり、雨戸、水切りなど)や木部に対しておこなわれる、手作業による重要な工程です。
ポイント
鉄部
電動工具やワイヤーブラシ、サンドペーパーなどを使用して、浮いた古い塗膜や進行した錆びを徹底的に除去します。
錆びの上から塗ってもすぐに剥がれてくるため、完全に金属面を露出させることが肝心です。
木部
劣化して脆くなった木部表面の塗膜をサンディングし、新しい塗料の吸い込みを良くします。
この地道な作業こそが、仕上がりの耐久性を決める職人技であり、プロのこだわりが最も出る部分です。
工程⑤:【土台を整える】下塗り材の選定と塗布
目的:素地と上塗りの強固な接着
上記の処理で完璧に整えた外壁面に、いよいよ「下塗り材」を塗布します。
これは、外壁材(素地)と上塗り塗料を強固に接着させるための「接着剤」であり、下地処理の集大成です。
ポイント
シーラー(Sealer)
主にサイディング壁に使われ、素地に染み込み、上塗り塗料の吸い込みを均一にし、接着力を高めます。
フィラー(Filler)
微細なひび割れ(ヘアークラック)や凹凸が多いモルタル壁などに使われ、厚みを付けて素地のデコボコを平滑にする役割があります。
プライマー(Primer)
主に金属面や付帯部(鉄部)に使用され、錆び止め効果や、金属と上塗り塗料の密着性を高めます。
専門塗装会社は、外壁材の種類、劣化の状態、そして使用する上塗り塗料に合わせて、最適な下塗り材を選定します。
例えば、「高耐久フッ素塗料」を使うのに、吸い込み調整しかできないシーラーでは性能が発揮できません。
下塗りの選定こそ、長持ちする塗装の設計図なのです。
良い下地処理を見抜くためのチェックリスト

初めての塗装で、下地処理がしっかりおこなわれているかどうか、どうやって判断すれば良いでしょうか?
私たちが考える、信頼できる施工会社の「下地処理へのこだわり」を見抜くチェックリストをご紹介します。
現場調査の姿勢
ひび割れやコーキングの劣化状況を詳細に写真撮影し、報告書に記載している。
高圧洗浄
業務用の強力な洗浄機を使用し、洗浄時間をしっかりと確保している(最低でも半日)。
シーリング
「増し打ち」ではなく、「打ち替え」を基本として提案している。使用する材が「ノンブリードタイプ」であることを説明できる。
クラック補修
0.3mm以上のひび割れに対して、Vカット工法などの具体的な処置方法を提案している。
鉄部のケレン
鉄部の錆びの状態を見せてもらい、錆びが完全に落ちているか確認できる(手抜きは非常に多い箇所です)。
下塗り材の選定
使用する下塗り材の名称を明記し、「なぜその下塗り材が必要なのか」を外壁の現状と照らし合わせて説明できる。
工程写真の提出
下地処理の各工程(洗浄、コーキング撤去、クラック補修、下塗り完了など)の写真を必ず撮影し、工事完了後に提出することを約束している。
これらの点について、見積もりや打ち合わせの際に施工会社に質問してみてください。
曖昧な返答ではなく、明確な根拠と具体的な施工方法を説明できる会社こそが、下地処理に真摯に向き合っている「信頼できる専門会社」です。
まとめ:名古屋で長く安心できる住まいのために
外壁塗装は、一度おこなえば10年、15年と建物を守り続ける「住まいのバリア機能」を回復させる大切な投資です。
名古屋市の皆様には、目に見えない部分だからこそ、下地処理の重要性を心に留めていただきたいと思います。
目先の安さだけで会社を選んでしまい、この最も重要な工程を省略されてしまっては、数年後の後悔につながりかねません。
ご自宅の劣化状況についてご心配な点があれば、専門家や専門会社に相談してみてください。
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