シーリングの劣化サインと放置のリスクについて
2025.12.19
シーリングの劣化サインについて

「外壁の見た目が少し古くなってきたな…」「そろそろメンテナンスの時期かな?」
そうお考えになった時、多くの方が「塗膜の剥がれ」や「ひび割れ(クラック)」を思い浮かべるかもしれません。
しかし、外壁の健康状態を判断する上で、絶対に無視してはいけない重要な部分があります。
それが、外壁材と外壁材のつなぎ目を埋める「シーリング」です。
このシーリング材は、住宅の防水性、気密性、そして建物の揺れを吸収する弾力性を維持するための、いわば「縁の下の力持ち」です。
特に窯業系サイディングボード(多くの住宅で使われている外壁材)のお住まいでは、このシーリングが建物を雨水や湿気から守る最終防衛ラインとなっています。
そこで、今回は「初めての塗装で何をチェックすれば良いか分からない」という皆様に向けて、外壁シーリングの劣化症状を分かりやすく解説し、放置した場合の深刻なリスク、そして適切なメンテナンス方法について詳しく解説していきます。
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~~~~~~~~~~*目次*~~~~~~~~~~
- なぜ名古屋の住宅でシーリングの点検が重要なのか?
- 1. 外壁材とシーリングの役割分担
- あなたの家のシーリングは大丈夫?4つの劣化サイン
- 1.初期サイン:チョーキング(白亜化)
- 2.中期サイン:ひび割れ(クラック)
- 3.重度サイン:剥離と破断
- 4.隠れたサイン:肉やせ(やせ細り)
- シーリング劣化を放置する3つの深刻なリスク
- リスク1:建物の構造材の腐食と耐久性の低下
- リスク2:雨漏り・カビ・シロアリ被害の発生
- リスク3:結果的に「補修費用」が高額になる
- 塗装工事と同時におこなうべきシーリングのメンテナンス方法
- 1. 打ち替え工法:新築同様の防水性能へ
- 2. 増し打ち工法:軽度な劣化や部分補修に
- 3. 使用するシーリング材の種類
- 名古屋市での外壁塗装は、経験豊富な地元会社に相談
- まとめ:あなたの住宅の「健康診断」は今すぐ!
なぜ名古屋の住宅でシーリングの点検が重要なのか?

名古屋市は、夏場には気温が高く、冬場には乾燥した風が吹くなど、年間を通して気温差や気候変動が大きい地域です。
シーリング材は、常に太陽の紫外線、雨風による水、そして熱に晒されています。
特に紫外線はシーリング材の劣化を早める最大の要因です。
夏の高温
シーリング材が膨張し、熱による劣化が加速します。
冬の低温
シーリング材が収縮し、ひび割れや剥離の原因になります。
このような過酷な環境下で、シーリング材は建物の動きや熱による伸縮を吸収し続けているため、新築から約5年~10年で必ず劣化が始まります。
初めての外壁塗装をご検討される時期(一般的に築10年~15年)には、必ずこのシーリングのメンテナンスもセットで考える必要があるのです。
1. 外壁材とシーリングの役割分担
多くの住宅で使われているサイディングボードは、ボードとボードの間に必ず「目地」があります。
この目地を埋めるのがシーリングです。
シーリングの主な役割は次の3つです。
防水性
目地から雨水が侵入するのを防ぎ、壁内部(構造材)を守る。
気密性
外部の空気や湿気の侵入を防ぎ、室内の冷暖房効率を保つ。
緩衝性(クッション性)
地震や強風、気温変化による外壁材の動きを吸収し、外壁材本体のひび割れを防ぐ。
この重要なシーリングが傷んでしまうと、これらの機能が一気に失われ、建物全体に悪影響を及ぼし始めます。
あなたの家のシーリングは大丈夫?4つの劣化サイン
「うちのシーリングはどこを見ればいいの?」という疑問にお答えするため、代表的な4つの劣化症状を解説します。
ご自宅の外壁を点検する際の参考にしてください。
1.初期サイン:チョーキング(白亜化)
症状
シーリング材の表面に触れると、白い粉が手に付着する状態です。
原因
紫外線や雨風により、シーリング材の表面の可塑剤や顔料が分解・劣化し、粉状になって現れる現象です。
外壁塗膜のチョーキングと同じ原理です。
危険度: 低~中
この状態は表面の劣化に留まっていることが多く、防水性はまだ保たれている場合が多いです。しかし、「そろそろ本格的な劣化が始まる」という重要な警告サインです。
2.中期サイン:ひび割れ(クラック)
症状
シーリング材の表面に、細い線状のひび割れが発生します。
症状が進むと、深く、太いひび割れとなり、最終的にはシーリング材が完全に分断されてしまいます。
原因
紫外線による弾力性の低下と、建物の動きや気温変化による伸縮に耐えられなくなったためです。
危険度: 中
ひび割れがシーリング材の内部深くに達している場合、雨水が目地の奥深くまで浸入し始めている可能性があります。
特に幅が1mmを超えるひび割れは要注意です。
3.重度サイン:剥離と破断
症状
剥離
シーリング材が目地の端(外壁材との境目)から剥がれ、隙間ができてしまう状態です。
破断
シーリング材の中央部分が裂けて、目地の奥が露出してしまう状態です。
原因
接着不良、またはシーリング材自体の劣化に加え、建物の構造的な動きや地震など、大きな力が加わったためです。
危険度: 高
この状態になると、シーリングの防水機能は完全に失われています。
目地から大量の雨水が建物の内部へ直接侵入し、木部の腐食や雨漏り、シロアリ被害などの原因となります。
4.隠れたサイン:肉やせ(やせ細り)
症状
シーリング材が徐々に体積を失い、目地の奥に引っ込んでやせ細ってしまう状態です。
原因
シーリング材に含まれる可塑剤(弾力性を保つための成分)が揮発・流出してしまったためです。
危険度: 中~高
肉やせにより外壁材との間にわずかな隙間が生じ、そこから水が侵入しやすくなります。
また、やせ細った部分は弾力性も失っており、ひび割れや破断に進行しやすい状態です。
シーリング劣化を放置する3つの深刻なリスク

「少しのひび割れくらいなら大丈夫だろう」とシーリングの劣化を軽視するのは非常に危険です。
シーリングの機能が失われることで、あなたの住宅に次のような深刻なダメージを与える可能性があります。
リスク1:建物の構造材の腐食と耐久性の低下
目地から侵入した雨水は、外壁の裏側(躯体内部)に流れ込みます。
外壁の裏側には、建物を支える柱や間柱などの構造材があります。
これらの木材が常に湿った状態に晒されると、腐朽菌(ふきゅうきん)が発生し、木材が徐々に腐り始めます。
構造材が腐食すると、建物の耐震性や耐久性が著しく低下し、大規模な地震などが発生した際に倒壊リスクが高まります。
これは、単なる「見た目の問題」ではなく、住宅の寿命と安全に関わる重大な問題です。
リスク2:雨漏り・カビ・シロアリ被害の発生
壁の内部に浸入した水は、断熱材を湿らせ、室内側の壁を伝って雨漏りとして顕在化します。
雨漏りが発生すると、室内の壁紙のシミ、カビの発生、不快な臭いなど、生活環境にも悪影響が出ます。
また、湿気を好むシロアリは、水に濡れた構造材を格好の住処として利用します。
シロアリ被害は発見が遅れがちで、発見された時には既に建物の広範囲に被害が及んでいるケースが少なくありません。
リスク3:結果的に「補修費用」が高額になる
シーリングの打ち替えだけで済む初期段階を逃してしまうと、内部の構造材の補修、断熱材の入れ替え、内装の修繕など、外壁塗装とは別の高額な工事が必要になってしまいます。
早期にメンテナンスを行うことで、将来的に余計な出費を防ぐことが、最も賢明な選択と言えるでしょう。
塗装工事と同時におこなうべきシーリングのメンテナンス方法
名古屋市で外壁塗装をご検討される際、シーリングのメンテナンスは基本的に必須の工事とお考えください。
シーリング補修の主な工法には、「増し打ち」と「打ち替え」の2種類があります。
1. 打ち替え工法:新築同様の防水性能へ
内容
既存の劣化したシーリング材を完全に撤去し、目地を清掃した後、新しいシーリング材を充填する工法です。
メリット
新しいシーリング材が目地の底(三面)ではなく、両側の外壁材(二面)にのみ接着するように施工するため、建物の動きに柔軟に対応でき、剥離や破断が起きにくくなります。
最も耐久性が高く、新築時と同等の防水性を回復させます。
適用
築10年以上経過している場合、ひび割れや剥離が発生している場合は、「打ち替え」を選びましょう。
2. 増し打ち工法:軽度な劣化や部分補修に
内容
既存のシーリング材の上から、新しいシーリング材を重ねて充填する工法です。
メリット
替え工法に比べて手間が少ないため、費用を抑えることができます。
適用
劣化が非常に軽度な場合や、シーリングが使用されていない入隅(出隅)部分などの補修に限って採用されます。
目地部分では、耐久性の観点からあまり推奨されません。
3. 使用するシーリング材の種類
外壁塗装をおこなう際には、塗装の耐久性とシーリングの耐久性を合わせることが重要です。
近年、外壁塗装で主流になっている高耐久塗料(ラジカル制御形、無機塗料など)の性能を最大限に活かすためにも、高耐久・高弾性のシーリング材を選ぶことが重要です。
変成シリコーン系シーリング材
耐久性と耐候性に優れ、外壁塗装の下地材として非常に適しています。
現在、外壁塗装での主流となっています。
ノンブリードタイプ
シーリング材に含まれる可塑剤が、上から塗る塗料に染み出て変色させる現象(ブリード現象)を防ぐタイプを選びましょう。
名古屋市での外壁塗装は、経験豊富な地元会社に相談

初めての外壁塗装は、「どこに頼めばいいのか」「費用はどれくらいかかるのか」など、不安な点が多いかと思います。
地元市の塗装専門会社は、地域の気候や建物の傾向を熟知しており、シーリング材の選定や施工方法においても、名古屋の環境に最適な提案が可能です。
まとめ:あなたの住宅の「健康診断」は今すぐ!
この記事では、外壁シーリングの劣化症状から、それを放置した場合の深刻なリスクについて詳しく解説しました。
シーリングの劣化は、住宅の寿命を左右する「静かなる危機」です。
名古屋市で初めての外壁塗装をご検討中であれば、まずはご自宅のシーリングの状態をチェックしてみてください。
もし、この記事で紹介した「ひび割れ」や「剥離」といった症状が見られたら、それはメンテナンスの最適なタイミングが来ている証拠です。
そのような症状を発見した際は、早めに専門家や専門会社に相談してみてください。
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