外壁塗装ブログ

雨漏り対策その4「屋根カバー工法」

2025.6.5

梅雨に入る前に雨漏り対策を!

雨漏り対策その4「屋根カバー工法」

屋根カバー工法は、主にスレート屋根の住宅で採用される施工工法です アートペインズ

 

名古屋市にお住まいの皆様、ご自宅の屋根にこんなサインはありませんか?

「屋根の瓦やスレートが割れている、ズレている」「棟(屋根のてっぺん)の金属板が浮いている、錆びている」「屋根の色褪せがひどい、苔やカビが大量発生している」「室内の天井にシミがある、水が垂れてくる」

もし、これらのサインに一つでも心当たりがあるなら、それは雨漏りの前兆かもしれません。

特に名古屋市は、年間を通して降水量が多く、夏場は高温多湿、冬場は比較的温暖ながらも、台風やゲリラ豪雨、時には積雪といった厳しい気象条件にさらされる地域です。

そのため、住宅の屋根は常に過酷な環境に置かれており、定期的なメンテナンスが欠かせません。

屋根の修理方法には「葺き替え(ふきかえ)」と「カバー工法」の大きく2つがあります。

葺き替えは既存の屋根材をすべて撤去して新しい屋根材に交換する方法ですが、近年、名古屋市でも注目されているのが「屋根カバー工法(重ね葺き工法)」です。

そこで、今回は名古屋市でよく見られる住宅の雨漏りの原因を詳しく解説し、その対策として非常に有効な「屋根カバー工法」について、説明していきます。

 

 

放置は危険!名古屋市で多発する雨漏りの主な原因とは?

雨漏りは、単に水が漏れてくるだけでなく、建物の内部構造に深刻なダメージを与え、資産価値を著しく低下させる可能性があります。

ここでは、名古屋市で発生する雨漏りの主な原因を再確認し、屋根のメンテナンスがなぜ重要なのかを理解していきましょう。

 

*屋根からの雨漏り:建物の「傘」が劣化していませんか?

屋根は常に雨風や紫外線にさらされているため、住宅の中で最も劣化が進みやすい場所です。

瓦のズレ・割れ・破損

強風や地震、飛来物(例えば、飛んできた瓦や看板など)によって、瓦がズレたり、割れたりすることがあります。この隙間から雨水が侵入し、雨漏りに繋がります。

棟板金(むねばんきん)の劣化

屋根の頂上部分を覆っている金属製の板(棟板金)は、釘の浮きやサビ、穴あきなどが発生すると、そこから雨水が建物内部に浸入してしまいます。

ルーフィング(防水シート)の劣化

屋根材の下に敷かれているルーフィングは、万が一屋根材から雨水が侵入しても、建物内部への水の浸入を防ぐ「最後の砦」となる防水シートです。

しかし、経年劣化により破れたり、穴が開いたりすると、雨漏りに直結します。

谷板金(たにばんきん)の劣化

屋根の面と面が交わる谷状の部分に設置されている金属板です。落ち葉やゴミが溜まりやすく、常に水が流れるため、腐食や穴あきが発生しやすい箇所です。

 

*外壁からの雨漏り:ひび割れや塗膜の劣化に注意!

外壁も屋根と同様に、雨水から建物を守る重要な役割を担っています。

外壁のひび割れ(クラック)

建物は常に微妙に振動したり、温度変化で伸縮したりしています。

この影響で外壁にひび割れが発生することがあり、特にヘアークラック(髪の毛のような細いひび割れ)でも、そこから毛細管現象によって雨水が内部に浸入することがあります。

シーリング材(コーキング材)の劣化

外壁のサイディングボードの継ぎ目や、窓サッシ周り、換気扇フードの周りなどに充填されているシーリング材は、雨水の侵入を防ぐ「目地材」です。

しかし、紫外線や経年劣化により、ひび割れ、肉やせ(痩せて隙間ができること)、剥離(剥がれてしまうこと)が発生すると、防水機能が低下し、雨漏りに繋がります。

塗膜の劣化

外壁の塗料は、美観だけでなく、外壁材を保護し、雨水が浸透するのを防ぐ役割も持っています。

塗膜が劣化してチョーキング現象(触ると白い粉がつく状態)が発生したり、剥がれたりすると、外壁材自体に雨水が浸透しやすくなり、雨漏りのリスクが高まります。

 

*ベランダ・バルコニーからの雨漏り:見落としがちな落とし穴

ベランダやバルコニーは、日常的に使う場所ですが、意外と雨漏りの原因となることも多い箇所です。

防水層の劣化

ベランダの床面には防水層が施されていますが、紫外線や歩行による摩耗、経年劣化により、ひび割れ、膨れ、剥がれなどが発生すると、そこから雨水が浸入します。

笠木(かさぎ)の劣化

ベランダの手すり壁の頂上部分に取り付けられている笠木は、手すり壁内部への雨水の侵入を防ぐ役割があります。

笠木の継ぎ目のシーリングが劣化したり、笠木自体が破損したりすると、雨水が内部に侵入し、雨漏りが発生します。

排水口の詰まり

落ち葉や砂ぼこり、鳥の巣などが原因で、ベランダの排水口が詰まると、雨水が滞留し、防水層の劣化を早めたり、オーバーフローして室内に浸入したりする可能性があります。

 

 

雨漏り解決の切り札!屋根カバー工法とは?メリット・デメリットを徹底解説

屋根カバー工法は、既存の屋根材を撤去せずに、その上から新しい屋根材を重ねて設置する工法です。

葺き替え工事と比較して、費用や工期を抑えられるため、近年非常に人気が高まっています。

 

*屋根カバー工法の仕組みと対象となる屋根材

屋根カバー工法は、主に既存の屋根材がスレート(コロニアル、カラーベストなど)やアスファルトシングルの場合に適用可能です。

瓦屋根や、既存の屋根材が複数層になっている場合は適用できないため注意が必要です。

【基本的な仕組み】

既存の屋根材の状態を確認し、浮いている釘の打ち直しや、破損箇所の簡単な補修を行います。

既存の屋根材の上から、新しい防水シート(ルーフィング)を敷き詰めます。

その上から、新しい屋根材(主にガルバリウム鋼板などの軽量な金属屋根材)を重ねて設置していきます。

棟(屋根のてっぺん)やケラバ(屋根の端)などの役物(やくもの)を取り付けて仕上げます。

 

*屋根カバー工法の大きなメリット

費用を抑えられる

既存の屋根材を撤去する費用や、撤去した廃材の処分費用がかからないため、葺き替え工事に比べて大幅にコストを削減できます。

これは、工事費用の大部分を占める要素です。

工期が短い

既存屋根材の撤去作業がないため、葺き替え工事に比べて工期が短縮されます。

これは、工事期間中の生活への影響を最小限に抑えたい方にとって大きなメリットです。

アスベスト対策に有効

築年数の古い住宅の場合、既存のスレート材にアスベストが含まれている可能性があります。

屋根カバー工法であれば、アスベスト含有の屋根材を撤去せずに上から封じ込めるため、アスベスト飛散のリスクを抑えることができ、環境面・健康面での心配が少なくなります。

断熱性・遮音性の向上

屋根が二重になるため、既存の屋根材と新しい屋根材の間に空気層ができ、断熱性や遮音性が向上します。

これにより、夏の暑さや冬の寒さが軽減され、雨音も響きにくくなるなど、より快適な住環境が期待できます。

特に名古屋の夏は厳しいので、遮熱性の高い屋根材と組み合わせることで、省エネ効果も期待できます。

ゴミ(廃材)が少ない

既存屋根材を撤去しないため、産業廃棄物の発生量が非常に少なく、環境に優しい工法と言えます。

 

*屋根カバー工法の知っておきたいデメリット・注意点

メリットが多い屋根カバー工法ですが、いくつかのデメリットや注意点も存在します。

既存屋根材の劣化状況によっては施工不可

既存の屋根材の下地が著しく傷んでいる場合(例えば、腐食や雨漏りによる下地の腐朽など)や、すでに広範囲で雨漏りが発生している場合は、カバー工法では根本的な解決にならない可能性があります。

この場合は、既存の屋根材をすべて撤去して下地から修繕する葺き替え工事が必須となります。

屋根の重量増

新しい屋根材を既存の屋根材の上に重ねるため、どうしても屋根全体の重量が増加します。

日本の一般的な戸建て住宅であれば、構造計算上問題ないことが多いですが、耐震性を考慮し、必ず事前に建物の構造強度に問題がないか、専門家による診断を受ける必要があります。

特に積雪が多い地域ではない名古屋市ですが、念のため確認しておきましょう。

使用できる屋根材の制限

屋根カバー工法では、既存屋根材の上に重ねて設置するため、軽量で耐久性の高いガルバリウム鋼板などの金属屋根材が主に用いられます。

重い瓦屋根などには適用できません。また、デザインの選択肢が葺き替えに比べて少ない場合があります。

屋根の葺き替えが必要になる時期が来る

カバー工法はあくまで「重ね葺き」であるため、いつかは既存の屋根材も寿命を迎えます。

その際には、二重になった屋根材をすべて撤去する葺き替え工事が必要となり、その際の撤去費用はカバー工法を行うよりも高くなる可能性があります。

雨漏り原因が屋根材以外の場合

雨漏りの原因が、屋根材の劣化ではなく、外壁やベランダなど屋根以外の場所から発生している場合、屋根カバー工法をおこなっても雨漏りは解決しません。

正確な原因特定が非常に重要です。

 

 

屋根カバー工法の費用相場(延べ床面積30坪の戸建て住宅の場合)

屋根カバー工法の費用は、屋根の面積、勾配(傾斜)、使用する屋根材の種類、建物の形状、足場の設置の有無などによって大きく変動します。

ここでは、一般的な目安をご紹介します。

【ガルバリウム鋼板】

耐久年数目安:25~40年

1㎡あたりの単価目安(材料費・施工費込み):6,000円~10,000円

30坪の戸建て総額目安(足場代込み):80万円~150万円

【費用の内訳の目安】

足場設置費用:全体費用の15~25%

既存棟板金・役物撤去費用:全体費用の数%

防水シート(ルーフィング)設置費用:全体費用の10~15%

ガルバリウム鋼板本体価格:全体費用の30~40%

施工費(人件費):全体費用の30~40%

諸経費:全体費用の数%

※注意点

上記はあくまで目安です。正確な費用は、必ず現地調査と詳細な見積もりを取って確認してください。

既存屋根材の劣化が激しく、下地補修が必要な場合は、別途費用が発生します。

屋根の形状が複雑な場合や、急勾配の屋根の場合も、作業が難しくなるため費用が高くなる傾向があります。

 

 

雨漏りから家を守る!日頃からできるセルフチェック

屋根カバー工法は重要な雨漏り対策ですが、日頃からご自身で屋根の状態をチェックすることで、小さな異変に気づき、早めの対策に繋がります。(安全を確保し、無理のない範囲で行いましょう)

屋根材のズレや破損

目視できる範囲で、屋根材にズレや割れ、欠けがないか確認しましょう。

特に強風の後などは注意が必要です。

棟板金・谷板金の状態

金属部分が浮いていたり、錆びていたりしないか確認しましょう。

苔やカビの発生

屋根に大量の苔やカビが繁殖している場合、塗膜の劣化や屋根材自体の防水性が低下しているサインです。

雨樋の詰まり

落ち葉やゴミが雨樋に詰まっていないか確認しましょう。

雨水が適切に排水されないと、屋根材の劣化を早めたり、外壁からの雨漏りの原因となることがあります。

雨漏りのサイン

室内の天井にシミがある、水が垂れてくる、壁が湿っぽいなどのサインを見つけたら、すぐに専門会社に相談しましょう。

これらのサインを見つけたら、放置せずに専門会社に相談することが大切です。

早めの対処が、大規模な工事や高額な費用を防ぐことに繋がります。

 

 

屋根カバー工法を依頼する際の重要チェックポイント

大切な住まいの屋根カバー工事を成功させるためには、会社選びと事前の確認が非常に重要です。

 

*複数の会社から見積もりを取り、比較検討する

適正な価格で質の高い工事を受けるためには、必ず3社以上の会社から見積もりを取り、比較検討しましょう。

見積もりの内容を細かくチェック

使用する屋根材の種類、メーカー名、商品名が明確に記載されているか。

屋根の面積が正確に計算されているか。

足場費用、防水シート費用、本体工事費用、諸経費などが個別に記載されているか。(「一式」でまとめられている場合は注意が必要です)

各工程の説明が丁寧か。

極端に安い見積もりには注意

相場よりも極端に安い見積もりを提示する会社は、手抜き工事や安い材料の使用、後から追加費用を請求するといったトラブルに繋がる可能性があります。

担当者の対応

質問に対して丁寧に分かりやすく説明してくれるか、誠実な対応かなども判断材料にしましょう。

 

*既存屋根材の状況を正確に診断してもらう

屋根カバー工法が適用できるかどうかは、既存の屋根材の劣化状況に大きく左右されます。

無料診断の活用

多くの会社が無料診断をおこなっています。屋根に上って現状を詳しく確認してもらい、写真や動画で報告してもらいましょう。

下地の状態確認

既存屋根材の下地(野地板など)が腐食していないか、雨漏りによるダメージがないかをしっかり確認してもらいましょう。

もし下地が傷んでいる場合は、カバー工法ではなく葺き替え工事を検討する必要があります。

雨漏り原因の特定

現在雨漏りが発生している場合、その原因が本当に屋根材の劣化によるものなのか、それとも外壁や他の箇所からの浸水なのかを正確に診断してもらうことが重要です。

 

*使用する屋根材の種類と特徴を理解する

屋根カバー工法で主に用いられるのはガルバリウム鋼板です。

その特徴を理解しておきましょう。

ガルバリウム鋼板のメリット

軽量

非常に軽い素材のため、建物への負担が少なく、耐震性の面でも有利です。

耐久性

サビに強く、非常に耐久性に優れています。

デザイン性

近年はおしゃれなデザインやカラーも豊富に揃っています。

遮熱性

遮熱塗料が施されたガルバリウム鋼板を選べば、屋根からの熱の侵入を抑え、室内の温度上昇を抑制できます。名古屋の夏には特に有効です。

メーカーや製品の選択

複数のメーカーから、耐久性やデザイン、機能性の異なるガルバリウム鋼板が販売されています。会社の提案を参考に、ご自身の希望に合ったものを選びましょう。

 

*換気対策について確認する

屋根が二重になることで、既存の屋根材と新しい屋根材の間に空気層ができます。

これが断熱効果を生む一方で、屋根裏の熱や湿気がこもりやすくなる可能性があります。

換気棟(かんきむね)の設置

屋根裏の湿気を排出するために、棟部分に換気口を取り付ける「換気棟」の設置を検討しましょう。

特に名古屋の夏場の高温多湿を考慮すると、換気対策は非常に重要です。

 

*保証制度とアフターサービスが充実しているか

屋根工事は、施工後すぐに不具合が出なくても、数年後に問題が発生する場合があります。

そのため、工事後の保証制度が充実している業者を選ぶことが非常に重要です。

保証期間と内容

屋根材メーカーによる製品保証と、施工会社による工事保証の二種類があります。

保証期間や、どのような場合に保証が適用されるのかを具体的に確認しましょう。

保証期間は、屋根材の種類や会社によって異なりますが、一般的に製品保証は20年~30年、工事保証は10年程度が目安です。

保証書の発行

口頭での約束だけでなく、必ず保証書を発行してもらい、大切に保管しましょう。

定期点検の有無

工事後に定期的な点検サービスがあるかどうかも確認しておくと、より安心です。

 

*施工管理体制と職人の技術力

屋根工事は、高所作業であり、専門的な技術を要する危険な作業です。

屋根工事の専門会社か

屋根工事を専門としている会社や、屋根リフォームの実績が豊富な会社を選びましょう。

自社施工か、下請けか

自社で職人を抱えている会社(自社施工)の方が、中間マージンが発生せず、品質管理も行き届いている傾向があります。

下請けを使う場合でも、どのような職人が来るのか、技術力は確かかなどを確認しましょう。

資格保有者

屋根工事に関わる「屋根診断士」「瓦屋根工事技士」などの資格を保有しているスタッフがいる会社であれば、専門知識と技術力に裏付けされた高品質な工事が期待できます。

 

 

まとめ

名古屋市で快適な暮らしを長く続けるためには、屋根カバー工法が雨漏り対策として非常に有効な手段であることをご理解いただけたでしょうか。

既存屋根材の状況がカバー工法に適しているかどうかの正確な診断、そしてガルバリウム鋼板などの適切な屋根材選びが、工事を成功させる鍵となります。

何よりも大切なのは、信頼できる専門会社を選ぶことです。

複数の会社から見積もりを取り、下地処理や換気対策の重要性を理解し、保証制度が充実しているかを確認し、納得のいく形で工事を進めましょう。

もし今、ご自宅の屋根に劣化のサインが見られる、あるいは雨漏りの兆候を感じているのであれば、迷わず専門会社に相談し、無料診断を受けることから始めてみてください。

早めの行動が、将来の大きな出費や建物の深刻なダメージを防ぐことにつながります。

 

 

 

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