外壁塗装ブログ

モルタル外壁を守る誘発目地とは?詳しく解説

2025.12.21

誘発目地について

誘発目地は、外壁のひび割れを抑制するために設置されます アートペインズ

 

初めての住宅塗装は、期待とともに「どこを見ればいいの?」「何を施工会社に聞けばいいの?」といった不安がつきものですよね。

特に外壁の材質や構造に関する専門用語は、難しいものばかりです。

そこで、今回は数ある外壁の中でも特にモルタル外壁にお住まいの方へ向けて、建物の寿命と美観を大きく左右する、非常に重要な構造「誘発目地」について、詳しく解説していきます。

 

 

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愛西市 町方町 外壁・屋根塗装工事【シーリング工事】

 

 

誘発目地が必要な「モルタル外壁」とは?

誘発目地の話を始める前に、まずはご自宅の外壁がどんな性質を持っているか確認しましょう。

モルタル外壁は、セメント・砂・水を練り合わせたモルタルを下地に塗り重ねて作る外壁で、自由なデザイン性や重厚感が魅力です。

しかし、このモルタルには一つ大きな宿命があります。それは「ひび割れ(クラック)しやすい」という性質です。

 

1. なぜモルタルはひび割れるのか?その原因は「動き」にある

建物は常にわずかな「動き」にさらされています。

温度変化による伸縮

夏の暑さで膨張し、冬の寒さで収縮します(熱応力)。

乾燥による収縮

施工後、モルタルに含まれる水分が蒸発することで収縮します(乾燥収縮)。

地震や風による負荷

わずかな揺れや風圧でも建物は動きます。

これらの「動き」がモルタルに加わると、モルタルが耐えきれず、ランダムな方向にひび割れが発生してしまいます。

このひび割れこそが、雨水の浸入経路となり、建物の構造体を傷める最大の原因となるのです。

 

2. 誘発目地の目的:クラックの発生場所をコントロールする知恵

そこで登場するのが、本日の主役「誘発目地」です。

誘発目地とは、モルタル外壁の壁面にあらかじめ計画的に設けられた溝(目地)のことです。

この目地を作る目的は、モルタルがひび割れようとする力を、目地の部分に意図的に集中させ、それ以外のランダムな場所にひび割れが発生するのを「誘発」することにあります。

つまり、ランダムで深刻なクラックを防ぐために、あえて「ここでひび割れなさい」という逃げ道を作ってあげる、いわば建物のための賢い安全装置なのです。

誘発目地は通常、建物の角や窓の上下といった、構造上力が集中しやすい場所から一定間隔で配置されます。

この誘発目地があることで、クラックは目地の内部に発生・集中し、目地に充填されたシーリング材が、ひび割れの動きを吸収して雨水の浸入を防いでくれるわけです。

 

 

誘発目地のシーリング工事が建物を守る仕組み

誘発目地はただの溝ではありません。その溝には「シーリング材」が充填されています。

このシーリングこそが、誘発目地の機能を完成させる鍵となります。

 

1. シーリング材の役割:動きに追従し、防水性を確保する

誘発目地はクラックを集中させる場所ですから、目地内部では常にモルタルの伸縮による動きが発生しています。

この動きに対して、シーリング材は次のような非常に重要な役割を果たします。

緩衝・追従機能(クッション)

モルタルが動いたり、ひび割れたりしても、シーリング材がゴムのように伸縮し、その動きにぴったりと追従します。

防水機能(フタ)

動きに合わせて伸縮しながら、目地内部をしっかりと密閉し、雨水や湿気が外壁内部に浸入するのをシャットアウトします。

美観の維持

目立たない場所でクラックの動きを吸収することで、その他の壁面の美観を保つ役割も担います。

誘発目地は、ひび割れという「弱点」を「シーリングという防水装置を備えた逃げ道」に変える、モルタル外壁の生命線と言えるでしょう。

 

2. 誘発目地のシーリングはなぜ劣化するのか?

しかし、このシーリング材は永遠に機能し続けるわけではありません。

名古屋の強い日差しや雨風にさらされ、時間と共に必ず劣化していきます。

主な劣化症状は次の通りです。

ひび割れ(クラック)

シーリング材自体が硬化し、伸縮性を失うと表面にひび割れが発生します。初期の防水機能低下を意味します。

肉やせ

シーリング材に含まれる可塑剤(柔らかさを保つ成分)が溶け出し、シーリング材が痩せて、目地内部に隙間ができます。

剥離(はくり)

シーリング材が目地の両端から剥がれてしまう状態です。防水機能は完全に失われ、誘発目地の意味をなさなくなります。最も危険な状態です。

これらの症状が現れたら、それは「外壁の防水機能が破綻寸前ですよ」という建物からの緊急サインです。

特に剥離は、誘発目地の内部に集中したクラックへ雨水がダイレクトに流れ込むことを意味し、建物の木部や鉄筋の腐食に直結します。

 

 

塗装工事と誘発目地シーリングの深い関係

初めての住宅塗装工事を検討する際、多くの方が塗料のグレードや色選びに意識が集中しがちですが、実は誘発目地のシーリング工事こそが、塗装の寿命と建物の防水性を決める最重要工程と言っても過言ではありません。

塗膜がいくら高性能でも、下地となる誘発目地の防水性が失われていれば、水の浸入を防ぐことはできません。

 

1. 塗装工事における誘発目地のメンテナンス方法

誘発目地のシーリングを補修する方法には、大きく分けて二つの工法があります。

 

① 増し打ち工法

既存のシーリング材の上から、新しいシーリング材を重ねて充填する工法です。

メリット

工期が短く、費用も比較的安価に抑えられます。

デメリット

既存のシーリング材が著しく劣化(剥離・肉やせ)している場合、増し打ちした新しいシーリング材もすぐに剥がれてしまうリスクがあります。

誘発目地の深さが十分でない場合も適用できません。

 

② 打ち替え工法

既存のシーリング材を完全に撤去し、目地内部を清掃した後、新しいシーリング材を充填し直す工法です。

メリット

古い劣化部分を完全に除去するため、新しいシーリング材が本来持つ性能を最大限に発揮でき、耐久性・防水性が最も高くなります。

デメリット

撤去作業が入るため、工期が長くなり、費用も増し打ちに比べて高くなります。

 

2. 名古屋の気候と外壁の状態に合わせた適切な工法の選択が鍵

塗装専門会社は、モルタル外壁の誘発目地を細かく診断し、最適な工法をご提案します。

ひび割れや肉やせが軽度な場合

費用対効果を考え、増し打ち工法を適用することもあります。

シーリングの剥離が確認された場合

迷わず打ち替え工法を推奨します。

特に築年数が経過している場合や、前回塗装から10年以上経過している場合は、耐久性を重視し、打ち替えをおすすめすることがほとんどです。

【重要】シーリング材の選定

誘発目地のシーリング工事では、使用する材料も重要です。

耐久性の高い「高耐久の変成シリコーン系シーリング材」や、さらに耐久性を高めた「ウレタン系ノンブリードタイプ」などが使用されます。

塗装工事をおこなう場合は、必ず上から塗装できるノンブリードタイプのシーリング材を選ぶ必要があります。

 

 

誘発目地のメンテナンスを怠るとどうなる?

「目地くらい大丈夫だろう」と誘発目地のメンテナンスを怠ってしまうと、名古屋の環境下で次のような深刻なリスクが発生します。

 

1. 雨漏り・漏水リスクの増大

シーリングが剥離した誘発目地は、雨水の侵入口となります。

誘発目地は構造上クラックを集中させている場所ですから、そこから浸入した水は、外壁内部の下地材(ラスと呼ばれる金網や防水シート)を湿らせ、最終的には壁内部の木材や柱を腐食させてしまいます。

腐食が進むと、建物の耐久性そのものが低下し、大規模な修繕が必要になる「雨漏り」のリスクが格段に高まります。

 

2. 建物構造体の鉄筋のサビ(爆裂)

モルタル外壁の内部には、強度を高めるための鉄筋(鉄骨造の場合は鉄骨)が入っています。

水が浸入し、この鉄筋がサビると、サビが膨張してモルタルを内側から押し破り、外壁が剥がれ落ちる「爆裂」という現象を引き起こします。

こうなると、単なる塗装では済まず、モルタル補修からやり直す必要があり、費用も工期も大幅に増大してしまいます。

 

3. 塗装の早期劣化

シーリングの劣化箇所から湿気が浸入すると、塗膜が下地から剥がれて浮いてしまう「膨れ」という現象が起きやすくなります。

どんなに高価で耐久性の高い塗料を塗っても、下地の湿気で浮いてしまっては、塗料本来の寿命を全うすることはできません。

 

 

まとめ

誘発目地は、モルタル外壁の弱点を逆手にとって、防水性を確保するための建物の「命綱」です。

ご自宅の誘発目地のシーリングが「ひび割れている」「剥がれている」「痩せている」といった状態であれば、それは緊急のメンテナンスが必要なサインです。

「うちの誘発目地は大丈夫かな?」「打ち替えと増し打ち、どっちがいいの?」

そうお悩みでしたら、専門家や専門会社に相談してみてください。

 

 

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