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梅雨に入る前に雨漏り対策を！

雨漏り対策その3「シーリング工事」

 

「外壁のつなぎ目がなんだか剥がれてる…」「窓の周りに隙間がある気がする」そんなサインを見つけたら、それは住宅の寿命を縮める「雨漏り」の予兆かもしれません。

特に名古屋市のように、年間を通して雨が多く、夏は高温多湿、冬は乾燥するという気候特性を持つ地域では、住宅の隙間から浸入する雨水による被害は深刻化しやすい傾向にあります。

そこで、今回は住宅の雨漏りの主な原因の中でも、特に「隙間」が関係する問題に焦点を当て、その有効な対策である「シーリング工事（コーキング工事）」について、説明していきます。

 

 

なぜ名古屋の住宅で雨漏りは起きるのか？「隙間」が招く雨漏りの主な原因

雨漏りと聞くと、屋根の破損を思い浮かべる方も多いかもしれません。

しかし、実は外壁や窓周りなど、住宅の様々な箇所に存在する「隙間」から雨水が侵入し、雨漏りを引き起こすケースが非常に多いのです。

この隙間を埋めるのが「シーリング材」であり、その劣化が雨漏りの主な原因となります。

 

＊外壁の「目地」からの雨漏り：最も見落とされがちな侵入経路

サイディングボードやALCボードなどの外壁材は、一枚の板を貼り合わせて住宅を構築しています。

これらの板材の境目には、ボードの動きを吸収し、防水性を確保するために「目地（めじ）」と呼ばれる隙間があり、ここにシーリング材が充填されています。

シーリング材の劣化（ひび割れ・肉痩せ・剥がれ）

紫外線、雨、風、温度変化など、外部からの影響を常に受けるシーリング材は、時間とともに劣化していきます。

特に名古屋は、夏場の強い日差しや冬場の乾燥、年間を通した寒暖差が激しいため、シーリング材の劣化が進行しやすい環境です。

ひび割れ（クラック）

シーリング材が弾力性を失い、乾燥することで、表面に細かいひび割れや深いひび割れが発生します。このひび割れから雨水が浸入します。

肉痩せ

シーリング材が硬化し、痩せて細くなる現象です。

目地とシーリング材の間に隙間が生じ、そこから雨水が浸入しやすくなります。

剥がれ

シーリング材が外壁材やサッシとの接着力を失い、完全に剥がれてしまう状態です。大規模な隙間が生まれ、大量の雨水が浸入する原因となります。

シーリング材の硬化

弾力性を失い、硬くなったシーリング材は、建物の動きや熱伸縮に追従できなくなります。結果としてひび割れや剥がれに繋がり、防水機能が失われます。

施工不良

新築時や前回の補修時に、シーリング材の充填が不十分であったり、適切な下地処理がおこなわれていなかったりすると、早期に劣化が進み、雨漏りの原因となることがあります。

 

＊窓・サッシ周りからの雨漏り：室内への影響大

窓サッシと外壁材の取り合い部分にもシーリング材が使用されています。

ここからの雨漏りは、直接室内側の壁紙のシミや、カビの原因となることが多く、日常生活に直結する問題です。

サッシ周りシーリング材の劣化

外壁目地と同様に、紫外線や雨風に晒され、ひび割れ、肉痩せ、剥がれが発生します。

特に、窓の開閉による振動も加わり、劣化が進行しやすい箇所です。

水切り（みずきり）の不具合

窓の下部に取り付けられている水切りは、雨水を外へ排出する役割があります。

この水切りのシーリングが劣化したり、変形したりすると、雨水が滞留し、建物の内部へ浸入する原因となります。

 

＊換気口・配管周りからの雨漏り：意外な盲点

外壁に取り付けられている換気口や、エアコンの配管、給湯器の配管などが外壁を貫通する部分にもシーリング材が使用されています。

取り付け部分のシーリング劣化

換気口や配管の取り付け部分のシーリング材が劣化すると、そこから雨水が浸入し、室内や壁の内部で雨漏りが発生します。

特に、換気扇のダクト内部に水が溜まることで、ファンから水が滴り落ちるケースもあります。

配管の勾配不良

エアコンの室外機からのドレンホース（排水ホース）の勾配が適切でない場合、水が逆流して内部に浸入することがあります。

これは厳密には雨漏りとは異なりますが、水の浸入として誤解されることがあります。

 

＊その他、シーリングが関係する雨漏り原因

ベランダ・バルコニーの笠木（かさぎ）

手すりの天板である笠木は、雨水が直接当たるため、笠木と壁の取り合い部分のシーリングが劣化すると、そこから雨水が浸入し、ベランダの下の階へ雨漏りが発生することがあります。

幕板（まくいた）の上下

外壁の途中に横に渡されている装飾板である幕板の上下にもシーリングが施されており、ここが劣化すると雨水が浸入します。

入隅（いりずみ）・出隅（でずみ）

建物がL字型になっている部分の角にもシーリングが打たれており、劣化すると雨漏りの原因となります。

 

 

雨漏り対策の要！シーリング工事が有効な理由と特徴

雨漏りの原因が「隙間」にある場合、その有効な対策となるのが「シーリング工事（コーキング工事）」です。

住宅塗装工事と合わせておこなわれることも多く、住宅の防水性を維持するために欠かせない工事です。

 

＊シーリング工事が雨漏り対策に有効なメカニズム

シーリング工事は、住宅の隙間を埋め、防水性を確保・回復させることで、雨水の侵入を防ぎます。

防水性の回復・強化

劣化したシーリング材を新しいものに打ち替えることで、目地やサッシ周りの隙間を完全に塞ぎ、雨水の侵入経路を遮断します。

弾力性のある新しいシーリング材は、建物の動きにも追従し、長期にわたって防水性を維持します。

建材の保護

シーリング材は、外壁材や窓枠などの建材を雨水や紫外線から保護する役割も果たします。

雨水が浸入して建材が常に湿った状態になると、腐食やカビ、シロアリの発生リスクが高まります。シーリング工事によってこれを防ぎ、建材の寿命を延ばします。

建物の動きへの追従

地震や強風、温度変化などにより、建物は常に微細な動きをしています。

シーリング材の弾力性は、これらの動きによる外壁材同士の衝突やひび割れを防ぎ、建材の損傷を抑制します。

断熱・気密性の向上

隙間を塞ぐことで、外部からの空気の侵入を防ぎ、住宅の断熱性や気密性を向上させる効果も期待できます。

これにより、冷暖房効率が向上し、省エネにも繋がります。

 

＊シーリング工事の工法

シーリング工事には、主に次の2つの工法があります。

打ち替え（打ち替え工法）

既存のシーリング材を全て撤去し、新しくシーリング材を充填する工法です。

【メリット】

既存の劣化部分を完全に除去できるため、最も耐久性が高く、新築時と同等かそれ以上の防水性を確保できます。

長期間の防水効果を期待するなら、この工法が最適です。

【デメリット】

既存材の撤去費用がかかるため、増し打ちに比べて費用が高くなります。

増し打ち（増し打ち工法）

既存のシーリング材の上に、新しいシーリング材を重ねて充填する工法です。

【メリット】

既存材の撤去が不要なため、費用を抑えられます。工期も短縮できます。

【デメリット】

既存材の状態によっては適用できない場合があります（例えば、既存材の劣化が激しい場合や、剥がれが多い場合など）。

既存材と新しいシーリング材の密着性が悪いと、早期に剥がれるリスクがあります。耐久性も打ち替えに比べて劣ります。

 

雨漏り対策として、そして長期的な視点から見ると、打ち替え工法が最も推奨されます。

 

＊シーリング材の種類と特徴

シーリング材には、主成分によっていくつかの種類があり、それぞれ耐久性や特性、費用が異なります。

アクリル系シーリング材

特徴

比較的安価で、水性のため塗装の上からでも使用可能。

ひび割れに追従する弾力性がありますが、耐久性は短め（5年程度）。

用途

主に内装やモルタル壁のひび割れ補修などに使われます。

外壁にはあまり使われません。

ウレタン系シーリング材

特徴

弾力性が高く、ひび割れへの追従性に優れています。耐久性は7～10年程度。

塗装の上から使用することが可能です（上から塗装しないと紫外線で劣化しやすい）。

用途

サイディングボードやALCボードの目地、コンクリートのひび割れ補修など、外壁の防水によく用いられます。

変成シリコン系シーリング材

特徴

多くの外壁材（サイディング、ALC、モルタルなど）やサッシとの接着性に優れ、耐久性も10～15年程度と長いです。塗装の上から使用できます。

用途

外壁目地、窓サッシ周り、換気口周りなど、住宅の様々な箇所のシーリング工事で最も広く使われています。現在の主流と言えます。

シリコン系シーリング材

特徴

非常に高い撥水性と耐久性（10～20年）を持ち、お風呂やキッチンなどの水回りによく使われます。

注意点

塗装ができないため、外壁の目地には不向きです。

上から塗装をしても弾いてしまい、色ムラになったり、剥がれてきたりします。

 

雨漏り対策として外壁やサッシ周りに使用するなら、変成シリコン系シーリング材が最も汎用性が高く、耐久性も期待できるためおすすめです。

 

 

名古屋の住宅シーリング工事の費用相場と内訳

シーリング工事の費用は、施工箇所、工法、使用するシーリング材の種類、住宅の規模、施工会社によって大きく異なります。

ここでは、名古屋市における一般的な住宅シーリング工事の費用相場と、その内訳について解説します。

 

＊費用相場の目安

一般的な30坪程度の二階建て住宅で、外壁の目地と窓サッシ周りのシーリングを打ち替えする場合の費用は、20万円～50万円程度が目安となります。

増し打ちの場合：15万円～30万円程度

打ち替えの場合：20万円～50万円程度

シーリングの長さ（m数）で費用を算出するのが一般的です。

打ち替え費用：1mあたり700円～1,200円程度

増し打ち費用：1mあたり500円～800円程度

※上記はあくまで目安であり、劣化状況や足場の設置費用、付帯工事の内容によって変動します。

また、住宅塗装工事と同時におこなう場合は、足場費用が重複しないため、単独でおこなうよりも割安になるケースが多いです。

 

＊工事費用の主な内訳

シーリング工事の費用は、主に次のような項目で構成されます。

足場費用

シーリング工事も高所作業が伴うため、安全確保のために足場の設置が必要です。

住宅の規模や形状によって費用が変わります。

塗装工事と同時におこなう場合は、足場費用を重複して支払う必要がないため、総額を抑えられます。

既存シーリング材撤去費用（打ち替えの場合のみ）

既存のシーリング材をカッターなどで丁寧に剥がしていく作業にかかる費用です。

プライマー塗布費用

シーリング材の密着性を高めるために、目地の両側にプライマー（下塗り材）を塗布する作業にかかる費用です。

この工程を怠ると、シーリング材の剥がれに繋がりやすくなります。

シーリング材充填費用

新しいシーリング材を専用のガンで隙間に充填していく作業にかかる費用です。

熟練の技術が必要な工程です。

ならし（ヘラ仕上げ）費用

充填したシーリング材をヘラで均し、表面を平滑に仕上げる作業にかかる費用です。

美観と耐久性を左右する重要な工程です。

養生費用

シーリング材が不要な箇所に付着しないよう、マスキングテープなどで養生する費用です。

廃材処分費用

撤去した既存シーリング材や養生シートなどの産業廃棄物の処分にかかる費用です。

諸経費

現場管理費、交通費、運搬費、事務手数料など、工事全体にかかる細かな費用です。

 

 

失敗しない！名古屋でのシーリング工事の注意点

大切な住宅の防水機能を守るシーリング工事だからこそ、失敗は避けたいものです。

ここでは、名古屋でシーリング工事を検討する際に、特に注意すべき点を解説します。

 

＊複数の会社から相見積もりを取る

塗装工事と同様に、シーリング工事においても最低でも3社以上から相見積もりを取りましょう。

費用の比較

適正な価格帯を把握し、不当に高い見積もりや、手抜き工事が疑われる極端に安い見積もりを見抜くことができます。

工法と提案内容の比較

打ち替えと増し打ち、どちらを提案されるか、どのようなシーリング材を提案されるか、その理由は何かに注目しましょう。

劣化状況に応じた最適な提案をしてくれる会社を選ぶことが重要です。

会社の信頼性

見積もり時の対応、質問への回答の丁寧さ、現地調査の細かさなどから、会社の信頼性を判断できます。

 

＊契約内容の確認

口頭での説明だけでなく、必ず書面で内容を確認しましょう。

工法

打ち替えなのか、増し打ちなのかが明確に記載されているか。雨漏り対策として、打ち替えを推奨されている場合は、その理由も確認しましょう。

使用シーリング材のメーカーと製品名

どのメーカーのどの製品を使用するのか、具体的に明記されているか確認し、自分で調べることも可能です。変成シリコン系かどうかも確認しましょう。

プライマーの塗布の有無

プライマーはシーリング材の密着性を高めるために不可欠です。

見積もりにプライマー塗布の項目があるか、またはその費用が含まれているかを確認しましょう。

保証期間と保証内容

シーリング工事の保証期間は、使用するシーリング材の種類や会社によって異なりますが、一般的には5年～10年程度です。

万が一、施工不良による剥がれやひび割れが発生した場合の保証範囲を必ず確認しましょう。

特に雨漏りに対する保証が含まれているかも重要です。

 

＊担当者の知識と対応を見極める

契約を決める前に、担当者の専門知識と対応をしっかり見極めましょう。

専門知識の有無

シーリング材の種類や特性、適切な工法について詳しく説明できるか、こちらの疑問に的確に答えられるかを確認しましょう。

丁寧な説明

専門用語ばかりでなく、分かりやすい言葉で丁寧に説明してくれるか、こちらの質問に誠実に答えてくれるかなども重要です。

現地調査の細かさ

契約前の現地調査で、シーリングの劣化状況を細かく確認し、雨漏りの原因となりそうな箇所を特定しようと努めているかを確認しましょう。

 

＊適正価格を見極める

安すぎる見積もりには注意が必要です。

手抜き工事のリスク

極端に安い見積もりは、質の悪いシーリング材を使用したり、プライマーの塗布を怠ったり、既存材の撤去を不十分におこなったりするなど、手抜き工事につながる可能性があります。

結果的に早期劣化や再度の雨漏りを引き起こし、かえって高くつくことがあります。

追加費用の発生

安い見積もりで契約させ、後から追加費用を請求する悪質な業者も存在します。

見積もり書に記載のない追加費用が発生しないか、事前に確認しておきましょう。

 

＊信頼できる会社の選び方

優良な会社を選ぶためのポイントをまとめます。

地域密着型で実績が豊富

名古屋市内で長年の実績があり、地域に根差した活動をしている会社は、地域の気候や住宅事情をよく理解しているため、適切な提案が期待できます。

シーリング専門会社か、塗装会社か

シーリング専門の会社であれば、その道のプロとして高い技術が期待できます。

住宅塗装もおこなう会社であれば、塗装とシーリングをセットで依頼することで、足場費用を抑えられたり、工事の連携がスムーズに進んだりするメリットがあります。

建設業許可を持っているか

シーリング工事も「建設業」に該当します。

建設業許可を持っているか確認することも、信頼できる会社を見極めるポイントになります。

アフターフォロー体制

施工後の点検や、万が一の不具合発生時の対応など、アフターフォロー体制がしっかりしている会社を選びましょう。

口コミや評判

インターネット上の口コミサイトやSNSなどで、その会社の評判を調べてみるのも有効です。

ただし、匿名性の高い情報なので、鵜呑みにせず参考程度に留めましょう。

 

 

まとめ

名古屋市における住宅の雨漏りは、外壁の目地や窓サッシ周りのシーリング材の劣化が主な原因となるケースが非常に多く見られます。

これらの隙間から雨水が侵入すると、建材の腐食やカビ、シロアリの発生など、住宅全体の寿命を縮める深刻な被害につながります。

シーリング工事は、劣化したシーリング材を新しいものに打ち替え、あるいは増し打ちすることで、住宅の防水性を回復・強化し、雨水の侵入を防ぐために非常に有効な対策です。

特に、耐久性の高い変成シリコン系シーリング材を用いた「打ち替え工法」は、長期的な視点から見て最も効果的な雨漏り対策と言えます。

シーリング工事を成功させるためには、複数の会社から相見積もりを取り、工事内容や保証内容をしっかりと確認し、信頼できる会社を選ぶことが何よりも重要です。

安さだけで判断せず、丁寧な下地処理と適切なシーリング材選定、そして確かな技術力を持つ会社に依頼することで、大切なマイホームを雨漏りから守り、長く快適に暮らすことができます。

名古屋で雨漏りにお困りの方、シーリング工事をご検討中の方は、ぜひこの記事を参考に、安心できる住宅ライフを送ってください。

早めの対策が、住宅の寿命を延ばし、無駄な出費を防ぐ最良の道です。

 

 

 

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